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『犬の老いじたく』

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『犬の老いじたく:愛犬の老化と向き合うために』
中塚圭子(ドッグトレーニングインストラクター)
角川SSC新書033・2008年3月
ISBN978-4-8275-5033-7 760円+税

これまでほぼ100%ねこブログでしたが、今回は犬の本です。今度の土曜日、5月19日の午後に長崎商工会議所で、この本の著者の方も講師に招いた「高齢犬猫の病気とケア」というセミナーが開かれるので、読んでおこう、と買ったものです。

 

著者の中塚さんは、神戸で1994年から犬のしつけ教室「ドルチェ・カーネ中塚 (DCN)」を運営しています。しつけ方針の基本は「陽性強化(ほめてしつける)」「動物行動学の理論を身につけたインストラクター」「飼い主自身によるしつけ」となっています。さるねこ父は、犬のしつけ理論の展開には詳しくありませんが、中塚さんのスタンスが、比較的新しい理論に裏打ちされているのだろう、ということはわかります。

 

さて、しかしこの本のテーマは犬のしつけではありません。「犬の老いとどう付き合うか」というのがテーマになります。犬もねこもそうですが、人間よりもはるかに速いペースで年を取ります。ねこの1年は人間の5年に相当すると言われ、犬の場合は小型犬で人間の4年、大型犬となると人間の7年に相当すると言われます。当然、人間の思っているよりもずっと早く「老い」がやってきます。一方で、近年の獣医学とその医療技術の急速な進歩によって、犬・ねこの寿命は以前に比べて大きく伸びましたから、その「老い」に付き合う時間もそれだけ長くなった、ということになります。わたしたちの心がまえが十分にできていないうちに、老いたパートナー=犬・ねこと否応なく向き合わざるを得なくなったのです。

この状況に対して、中塚さんが用意した〈場〉が「老犬教室」でした。2006年に開設したこの教室に集まってきたのは、DCNにかつて通ってしつけを学んで今は老いを迎えた犬たちとその家族。パートナーの老いが引き起こす問題行動や健康面の悪化、そしてそれに向き合う家族が抱えるストレスや不安を、老犬教室という〈場〉に集まることによって共通体験としてシェアし、協力して解決の道筋をたどろう、という展開が生まれました。この本は、老犬とその家族たちの持つ〈経験知〉をもとに構成されています。

メインとなるのは、「老い」によって現われるさまざまな問題をケーススタディとして紹介する第2章「犬たちの老化現象」と、それらの事例への個々の対応を積み上げてできあがった対策集である第3章「老犬力を鍛えるレッスン」になります。

第2章 犬たちの老化現象
2-1. 老化は後ろ足から
2-2. 若いときの足腰の酷使に注意
2-3. 再発する悪癖
2-4. トイレのしつけ直し
2-5. 視力の低下
2-6. 犬の認知症 その一
2-7. 犬の認知症 その二
2-8. 食への執着
2-9. 食べられなくなる
2-10. 犬も年を重ねると動じなくなる?
2-11. 病気はお金がかかる
2-12. 老老介護
2-13. 老犬の多頭飼い
2-14. どこで看取るか
2-15. 老化を受け入れる
2-16. 最期にしてあげられること
 
第3章 老犬力を鍛えるレッスン
3-1. 足腰の老化に備えるための5レッスン
3-2. トイレで困ったときの3レッスン
3-3. 食への執着心に応える4レッスン
3-4. 低下した食欲を促すための3レッスン
3-5. 視力・聴力・嗅覚の衰えに備える3レッスン
3-6. 身ぎれいに保つための2レッスン
3-7. 老犬のムダ吠えに対応する3レッスン
3-8. 脳を活性化する4レッスン
3-9. 散歩をおっくうがらないための6レッスン
3-10. 寝たきり介護に備える5レッスン
3-11. ムリせず遊ぶための3レッスン

これらがどの程度的を射ているのかはさるねこ父には残念ながらよくわからないのですが、少なくとも相当数の試行錯誤と情報交換を通じて「レッスン」が生まれてきていることだけは確かです。たとえば、3-1. 足腰の老化に備えるためのレッスンの例として挙げられている「ジグザグ歩き」では、「普段の散歩で通る公園の入口にある車止めを使ってみましょう」「しつけ教室では100均で売っているラバーカップ(トイレの詰まりを直すためのゴム製の道具)を立てて使ったりしました」みたいな記述があります。「うちの近くの公園の車止めなんかちょうどいいわよ」「それだ!」とか、「ねえねえ、いいもの買っちゃった」「うそ、やだ、でもちょうどいいわね、100均で安いし」なんて会話があったんだろうなあ……。ちょっと楽しそう。このほかにも「経験による具体例」があちこちに出てきます。それだけでもおもしろい。犬を飼ったことなくてもおもしろいです。

 

わたしたちは犬・ねこの老いに向き合い始めてまだ日が浅く、なにをどうしていいのかわからなかったり、自分たちだけがこんな辛い目に遭っているのではと苦しんだりする。とにかく情報がない。他人の経験(成功も失敗も含め)をよく知ることが、「老い」という避けて通れない問題に対してできる唯一の心構えなのかもしれません。

この本は、たぶん通過点なんだろうと思います。ここに書かれていることをやってみて、うちでもうまくいった・うちでは効果がなかった、という経験知をさらに積み重ねて、わたしたちはよりよい犬・ねこの「老い」への向き合い方を見つけていくのでしょう。

 

――「ねこの老いじたく」のケーススタディも積み重ねていかないと、ですね。

 


 

中塚さんも講師の一人としてお招きするセミナーは、次の通り開催されます。ながさき近辺でご関心の向きは、当日参加でもけっこうですので、ぜひお越しになってみて下さい。

  • イベント名:公益社団法人日本愛玩動物協会主催セミナー「高齢犬猫の病気とケア」
  • 日時:2012年5月19日(土)13:00~16:00(開場12:30)
  • 場所:長崎商工会議所(長崎市桜町4-1)2Fホール
  • 講師と演題:荒井延明「高齢犬猫の病気」/中塚圭子「高齢犬猫のケア」
  • 参加無料・定員120名
  • 事前にこちらのフォーム(オフィスさるねこ)よりご連絡いただけると、資料準備の点で助かります

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