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線維軟骨塞栓症(FCE)と ふみのこと (5)

線維軟骨塞栓症(FCE)と ふみのこと (4) から続きます。

 

2014年5月8日(木)

  • 深夜~朝 2回排尿、排便はなし。CT/MRIは全身麻酔をかけるため、昨日の夜から絶飲食。
  • 朝 廊下からリビングへ出たがるので出してみる。よろよろと歩きながら、あちこちでこてっと横になったり、澄まし坐りをしたり。
  • 9:25 さわもと犬猫病院へ。院長先生が対応してくださる。深部痛覚はやはりほとんどない、とのこと。診察台ではけっこう活発に動こうとする。「いい子でいるんだよ」と頭をなでて、しばしお別れ。

お昼に検査をして、麻酔から覚めたらだいたい14時半頃からお迎えできますよ、と言われていましたが、仕事の都合もあって夕方にお迎えに。

  • 18:00 ふたたびさわもと犬猫病院へ。診察室に呼ばれて、院長先生から説明を受ける。診察台の上にあるPCには、PowerPointの資料が開かれていて(院長先生が福岡で学会発表したときのプレゼン資料だったらしい……これかな?)、MRIの写真が2枚と解説文、スライドタイトルには「線維軟骨……」という聞き慣れない用語が。また、壁に掛けられたディスプレイには、ふみのものと思しきMRI画像が大写しになっていて、規則正しく並んでいる白いものが1つだけ欠けていました。
    fumi_mri
    • PowerPointのスライドに書かれている解説文で真っ先に飛び込んできたのは、最後の方に書かれていた「自然回復する」というような表現(見慣れない医学用語ばかりだったので、あんまり正確ではないけど、概ねそんな感じ)。よくよく読むと、そうでなくもっと悪くなるケースもあるようなのだけれど、まず思ったのは「そっかー、元に戻るかもしれないんだー」ということでした。ものすごく安堵したのをよく覚えてます。先生の説明を聞く前に、気の早いことだ。
    • しかし、そもそもその病気(?)のタイトルが覚えられない(^_^;)。老化を感じます。そのあとの説明で、どうやらFCEと略されるものらしいので、「『線維 FCE』で後でググろう」とだけ覚えることにする。
    • MRI画像は、上が背中側・下がお腹側、左が頭側・右がしっぽ側です。2つある赤矢印のうち下の方は、「規則正しく並んでいるものが1つだけ欠けて」いる部分を指しています。「白いもの」は椎間板の髄核(=中身)にあたるところで、それがなくなってしまっていることを示します。上の方の赤矢印は、その飛び出した髄核が脊髄側に流れ出しているようすを示しています。白く光る椎間板と椎間板の間の薄暗い部分が脊椎(骨)で、それと同じくらいの太さで上に並行して走るやや明るい帯状の部分が脊髄(神経)です。
    • こうなってしまったのが、何番目と何番目の腰椎に挟まれた椎間板なのか、きちんと尋ねそこねました。ひとつには、「戻るかもしれないんだー」の興奮が続いていることと、もうひとつには、院長先生から「この子は腰椎が一つ足りませんね、6つしかない」と言われて、びっくりしたというのもあります(後述)。たぶん第3腰椎と第4腰椎の間じゃないかと思いますが、違うかもしれません。
    • 髄核は、椎間板の内側に当たる部分で、それが流れ出しているということは、髄核を取り囲んでいる椎間板の表面に当たる部分が「壊れている」ことが示唆されます。ふみの脊髄を輪切りにした別のMRIでは、脊髄の右側に当たる部分が「腫れている」ような感じに傷ついていました。砕けた椎間板の表面部分が、脊髄に沿っている血管を詰まらせているので、右足の麻痺が起こっていると考えられます……というのが、院長先生の説明でした。というか、たぶんそんな感じのことをおっしゃっていたと、さるねこ父は理解しました。(これを先生が読んだら、「うーん、40点」とか言われそうですが。)
    • 線維軟骨塞栓症(FCE)の予後については、まず先に「恐ろしい方」のスライドを使って説明がされました。院長先生いわく、脊髄損傷が上行性(頭に近い方向へ広がっていく性質)で広がってしまうと、予後は非常に悪い、と。そうなってしまった2匹の犬の写真を見せられましたが、明らかに目が据わっていなくて顔面に締まりがなくなっていました。どちらの子も、損傷後数日でそうなり、さらに数日で亡くなったということでした。「うちの病院でそうなったケースはまだないですが、大学病院ではたまに見ます」という話でした。(後で調べてみると、「脊髄軟化症」という症名で、発症した場合は治療法がなくほぼ100%命を落とすそうです。犬の場合は、そうなる確率は深部痛覚が完全喪失した場合の5~10%(cf. YPC東京動物整形外科病院 | 江東区 動物病院 | 脊椎・脊髄疾患および椎間板疾患)。)
    • 損傷箇所が広がらなかった場合、「概ね3週間経っても運動機能が回復しなければそのまま」ということでした。3週間でよくならなければ回復はあきらめましょう、という意味ですね。逆に、よくなる場合は3週間でだいたい戻る、ということになります。
    • というわけで、線維軟骨塞栓症(FCE)の予後は、3つに大きく分かれることになります。(1) 2~3週間ほどで元に戻る、(2) 麻痺が残った状態のまま回復しきらない、(3) 脊髄軟化症を発症してほぼ100%命を落とす、という3つです。なんなんでしょうね、この天国と地獄感MAXな感じ。なかなかしびれるような運試しです。先生はどのパターンがどのくらいの確率、というようなことはおっしゃっていませんでしたが、ネットで調べてみても、ほとんどの症例は犬のもので、ねこが発症した場合どういう比率になるのかは、さっぱりわかりませんでした。まあ、確率はあくまで確率であって、さるねこ父・母にとっては、目の前にいるふみという1例がすべてなわけですが。
    • それから、ふみの腰椎が1つ足りない件。「腰椎欠損症」というそうで、加齢とともに、排便に支障が出たり、下半身が弱って歩行困難になったりすることもある、というお話でした。「どのくらいの割合でそういうねこがいるんですか?」と尋ねたところ、「うーん……2割くらいですかね」という答えで、意外に多いことにまたびっくりしました。(ネット情報では、ふみのようなぼんぼんしっぽ(短尾)の子だと3割くらいが腰椎欠損というのがひっかかったりしますが、ソースははっきりしません(本当に調べた人がいるのか、いたとして何例中何例だったのか、よくわからない)。)
    • そんなこんなでまあとにかく、ふみの症名は「線維軟骨塞栓症」と定まりました。MRIとCTのデータを主治医である平野町ペットクリニックの青木先生に渡すように預かり、支払った金額は……
      • 初診料 1,080円
      • 全身麻酔料(吸入ガス麻酔) 8,640円
      • CT・MRI 検査料 48,600円  しめて58,320円でした。
    • CT/MRIの検査料(+麻酔料)で6万円弱というのは、保険の効かない動物の検査料としては安い方じゃないかと思います(ネットで引っかかってくるいくつかのケースと比較した場合)。が、絶対値として考えればものすごくお高いものです。もちろん、この検査をしたからこそ「線維軟骨塞栓症」と診断が確定し、だからこそ「天国と地獄・3コース」がはっきりして、「安心」もしましたし、同時に、「覚悟」もできましたけど。
  • 一通りの説明を受けて、9時間ぶりにふみと対面。検査自体は12時過ぎには終わっていたようで、午後麻酔から覚めてからはずっとかまってもらえず、ややお怒りでしたが、ここでもう一踏ん張り、平野町ペットクリニックへ向かいました。
  • 18:40 平野町ペットクリニック受診。澤本先生から預かったデータをお渡しし、また一通り診察を受ける。診察室の床を歩く様子などもチェック。線維軟骨塞栓症については、いぬの症例は何度か診たことがあるが、ねこのケースは初めてとのこと。ともかくは、いぬ(あるいはヒトでもそうですが)のケースと同様、ステロイド投与で炎症を抑えつつ様子をみることになりました。まずは、1週間分、1日2回プレドニン2.5mgずつ(体重1kgあたり1日1mg(よりちょっと多い)計算)。
    • 診察料 0円
    • 内服薬 86×14=1,204円  しめて1,204円
  • 19:20 帰宅
  • 20:00 SGJタピオカツナスープをガツガツと食べる。プレドニン2.5mg投与。
  • 24:00 カリカリを自分から食べる。だんだんと「普通」を取り戻しつつある。

というわけで、長い長い病院めぐりは、これで一段落となりました。うんちがまだ出ていないのが気がかりですが、「4~5日出なければ、浣腸なりしてみましょう、おしっこが出てるようならそう心配はないですから」という平野町の青木先生の説明にしたがって、土曜日くらいまでは様子を見ることにしました。

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テーマ : ペットの健康・病気・怪我
ジャンル : ペット

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